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ハヤブサ消防団

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東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ築に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る―――。



私は、自分より田舎に住んでいたという人に未だかつて出会ったことがないというほど田舎で生まれ育ちました。
そんなわけで、作品中に出てくる「田舎あるある」の数々も相待って、導入から、もしかしたら一般の人とは違う感覚で引き込まれてしまっていたかもしれません。
例えば…
太郎の家は「桜屋敷」と呼ばれていましたが、私の実家は「赤羽」という名がありました。それは、住所でも地名でももちろん苗字でもありません笑
また、住所については「地名の後に千番代の番地があるだけでどこに家があるのか見当もつかない」と書かれていますが、私の実家もまさに!で、割と広い範囲を差す地名の後に千番代の番地がついていて、他の家も然りなので新しく来た郵便さんなんかは番地を頼りにするより誰の家という覚え方をするしかなかったようです。
当番が多いのも然り。私の地域では神楽があったので、神楽の大当番なんかが当たった年には夜明けまで近所の人たちにお酒とご馳走を振舞わなければならず、今考えると本当に大変だったろうと思いますがそれもそういうものとしてみんな受け入れていました。
まだ、近所の人というのは親戚と同等なので、葬式や法事も近所中で支えるのが通例で、その家の台所を近所中の奥さん(だいたいおばあちゃん世代)で手伝って法事の後にはマイクロバスで親戚・近所の人達連れ立って墓参りと寺参りをしていました。
何より笑ったのは車同士で道をすれ違うにも挨拶をし合うこと。車対人も然り。それだけ車も人も少ないということですが、そうか都会ではありえないことやなと思わず笑ってしまいました。
そもそも、消防団の存在感も田舎ならではかもしれません。
そうして導入からちょいちょい挟み込まれる田舎あるあるにそうだったなぁと田舎を思いながら、気づけばミステリーの世界にどっぷり…。全話ではないもののドラマで結末を知っているからとたかを括っていたらすっかり裏切られ最後までハラハラし通しでした。残り70ページ程かというくらいに迫っても、真相が掴みきれず最後の最後まで楽しめた一冊でした。人の想いや良くも悪くも信じる力がどれだけの支えになり原動力になるか…それは田舎だろうと都会だろうと、今も昔も決して物語の中のお話ではないと改めて思いました。

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